島々でそれぞれが 独自の進化を遂げてきた
その昔琉球列島はアジア大陸と陸続きでしたが、海水準の変動などで分離・結合を繰り返し、現在のような島々が形成されました。もともとひとつの陸地に生息していた生物でしたが、それぞれの島で隔離されことで、それぞれの環境に合わせた固有の進化を遂げました。
琉球列島の成り立ち
その島だけに生息する生物、島々で少しずつ違う生物など
多様な生物が生息する生態系
ヤンバルクイナはやんばるにのみ、イリオモテヤマネコは西表島にのみ生息しています。また、オキナワキノボリトカゲ(奄美・沖縄諸島に分布)とサキシマキノボリトカゲ(与那国島を除く先島諸島に分布)のように、地域によって亜種に分かれる例もあります。
生物多様性とその重要性
生物多様性とは、種、個体、生態系など、すべての生物学的レベルでみられる多様性の総称で、同種の個体間あるいは個体群間に様々な形質の違いがみられることや、地域レベルや地球規模で多様な種が多数すんでいること、地域によって異なった構造の生態系が存在することを指します。
生物多様性は、食料や建築資材など有用な財の供給や、気候調整・水の浄化などの環境条件を適当な範囲に保つ作用、審美的・宗教的影響など精神面への作用など様々な生態系サービスを生み出す源です。生物多様性の減少によりこのような生態系サービスの持続的な享受が困難になる恐れがあるため、生物多様性の保全は私たちの生活にも深く関係するとても重要なことなのです。